それから、気が向いた時にだけ、サスケと寝た。 それは本当に、無意味な行為。 性欲処理以下のモノ。 女みたいに柔らかくもないし、気持ちよくもない身体。 その身体を、ただ、ただ、乱暴に抱いた。 時には殴ったし、蹴った。 いや、時には、では済まされないほど、痛めつけた。 最期のほうなんて、殴るために呼んでいたようなもんだ。 血を吐き、骨を折ることもあったけど、それでもサスケは呼ばれればついてきた。 なんて、バカなガキ。 そうまでして、俺に尽くす理由が兄貴の情報を得ること。 だけど、俺は一切、教えなかった。 サスケも何も言わなかった。 情報も得られないまま、身体を差し出す。 なんて、無意味な関係。 そんな関係が半年続いた。 いい加減に、飽きた。 無駄に抱くのも、殴るのも、飽きた。 そして、時折疼く左胸の痛みに、飽きた。 だから、サスケと会うのをやめた。 最初、サスケは物言いたげな視線をあの虚ろな目を通して寄越していたが、 一ヶ月も経つと、何も言わなくなった。 けれど、それと同時にまた、夜毎に情報収集に励んでいるという噂を聞いた。 あの、自分の身を差し出すやり方の情報収集に励んでいると。 バカじゃないの? たかだかガキと1回寝たってくらいで、差し出される情報は大したものではない。 そんなことくらいお前も解ってるんだろ? 何ヶ月も同じことやってりゃ、結果なんて見えてくるだろ? なのに、何でお前は気づかない。 ワケもなく苛つく気持ち。 けれど、ぶつける相手はいない。 昔なら、任務で簡単に人を殺せたけれど、今はそんな任務は与えられていない。 唯一の暴力の捌け口であったサスケは…。 ――サスケには、会いたくなかった。 会えば、何かが崩れそうで、怖かったのかもしれない。
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