身体は次第に感覚を無くしていく。
血が流れすぎた。
意識も消えかけている。
死が目前にあるってのに、思うのはアンタのことだけ。
なんか、それって癪だね。
死体
最初から、お互いにろくな死に方をしないことを知っていた。
出会ったときから、アンタも俺も人殺しだった。
身体に付いた血は消せても、匂いは消せない。
いつもお互いに血の匂いがしていた。
それが、らしかったよな。
やってきたことがやってきたことだから、
いくら足を洗ったからといって、今までの罪が消えるわけではない。
まぁ、罪を犯してた気持ちはなかったけど。
望んで選んだ仕事ではなかったけど、自分で生きるために選んだことだから後悔はない。
けれど、まさかこんな処でのたれ死ぬとはな。
ちょっと、情けない。
あぁ、本格的に意識が遠のいていく。
もし、アンタが俺の死体を見つけたなら、
冷たく動かなくなった俺の死体を見て、アンタはどうするだろう。
確実なのはただひとつ。
アンタは泣かないってこと。
哀しんではくれるけど、絶対にアンタは泣かないね。
だから、
だから、傍にいたんだ。
それが、この目で見れないのが心残りでしょうがないよ。
当然のことだけど。
アンタが俺の死体を見て泣かないとこを見たかったなぁ。
ホント、それだけが心残りだよ。
2003.01
微妙に(?)パラレル入ってます。すみません。
魂だけを愛し、その入れ物(肉体)には興味がない。
というのを書きたかったんだけど、うまくいきませんでした。
カカシsideも書きたいです。
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