孤独戦争
君を捕まえました。 手足を折り、大好きだった意思の強い目を潰し、君を捕まえました。 君はただ呆然と僕がいるであろう方向を向きながら、 何で…、と呟きました。 僕は答えることができませんでした。 答えは持っていたのだけれど、 君を捕まえ、自分ひとりのモノにしたかった、 という答えは明確に持っていたのだけれど、 それを口にしてしまえば、 単なる陳腐な言葉でしかなくなる、ということを知っていたので、 僕は答えることができませんでした。 ただ、立つこともできず崩れ落ちた君を抱きしめました。 肩に触れる君の顔から、そして、その目から、 じわりじわり、と染み込んでくる血の温もりを感じました。 それは、まぎれもなく、君の血であり、君の温もり。 君は呟きました。 小さく、殺して、と。 僕はその言葉にも答えることができぬまま、さらにきつく君を抱きしめました。 君を手に入れました。 手足を折り、あの大好きだった目を潰し、君を手に入れました。 けれど、本当には、君を捕まえることはできませんでした。 大好きだったあの目があった場所から、流れ出る血と君を肩で感じる僕が捕まえたものは、 孤独、というどうしようもないものでした。 だから、僕は泣きました。 君を抱きしめ泣きました。 君を想って泣くのではなく、自分を想って泣きました。 真実、君を手に入れることができなくて泣くのです。 孤独の中で、自分を想い泣くのです。
2003.11.10 HちゃんへのBDプレ、第3弾。 ※Hちゃん一言感想※   →『カカシさんが壊れてる。 でも、好きだ』
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